【もっと知りたい!チョコのことVol.1】タブレットチョコレートのおいしい味わい方
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【もっと知りたい!チョコのこと】では、チョコレートジャーナリストの市川歩美さんに「なんとなく疑問に思うけど知らないチョコレートのこと」についてくつろぎ屋が質問し、教えていただきます。
今まで知らなかったチョコレートのことを知って、さらに美味しく、楽しく味わいませんか。
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今回は、「タブレットチョコレートのおいしい味わい方」についてお聞きしました。
チョコレートジャーナリスト
市川歩美さん
チョコレート専門メディア「チョコレートジャーナル」代表。放送局で長年ディレクターとして番組企画・制作に携わり独立、日本で唯一のプロのチョコレートに特化したジャーナリスト・コーディネーター。365日、日本国内、カカオ生産地をはじめ世界を取材し、最新情報・トレンドなどを情報発信する。
Twitter:@ayumisroom
Instagram:@ayumichocolat
タブレットチョコレートのおいしい味わい方
チョコレートは、むずかしく考えないで「おいしいね」がいちばん。
だって、私たちは、ただでさえ普段から頭を駆使して、日々あらゆる仕事や問題に向き合っているんだから。そんながんばる私たちに、チョコレートはいつも、癒しのひとときや、しあわせな気分を運んでくれます。
でも、ときには知的好奇心を持ち、ワインでいうソムリエのように、チョコの個性をあますことなくキャッチしたい、と考えることもあるでしょう。
今回は、そんなときのためのヒントをまとめます。私が行うやり方がベースなので、ぜひ、参考にしてみてください。
まずはリラックス
ちょっと意外かもしれませんが、まずは、「チョコ以前」がとても大切。時と場所を、よくえらびましょう。
1.(場所を選ぶ)おちついてチョコに向き合える空間に、身を置く
2.(こころを整える)なにはともあれ、リラックス
例えば、ごちゃごちゃした場所より、片づいたテーブルへ。お部屋の明るさも大事で、暗すぎるとチョコが見えなくてストレスです。
あとは、おなかが空きすぎていると、味わわずに勢いよく食べてしまうし、さっき大ゲンカして大興奮して号泣、なんて状況では冷静になれません。ニンニク料理の後も、やめましょう。
つまり、他の誰でもない「自分」が落ち着いていること。ちなみに私は、人がたくさんいて、不意に話しかけられる可能性がある場所で、チョコレートをじっくり味わうことはできません。
五感を使って、チョコレートと向き合う
続いて、チョコレートを口に入れる前段階。ここでは、目と鼻を使います。
3.(見る)チョコの形や、色、厚み、ツヤ、パッケージもみる
4.(嗅ぐー鼻から)チョコを鼻に近づけて、香りをたしかめる
ブルーミングして白くなっていないか、厚みはどうか。ビーントゥバーの場合は特に、カカオの産地や、生産者のストーリーが記されたパッケージもチェック。チョコレートの表面から立ち上る香りも、それぞれ面白いです。
続いて、チョコレートをひとかけら口の中にいれ、ゆっくりチョコレートを溶かします。
5.(口いっぱいにチョコをひろげる)決して慌てず、ゆっくりチョコレートを溶かして、風味が広がるのを待つ
6.(味わう)苦味や、酸味、甘味などの味をじっくりたしかめる
7.(嗅ぐー口から鼻へ)鼻から息を吸って、鼻呼吸をして香りを感じる
8.(聴く)口の中でどんな音がする?
チョコレートが薄ければ噛まなくても、厚みによっては2〜3回噛んでOK。
口溶けはどうでしょう。
口を閉じたまま、すーっと鼻から息を吸って、そのまま鼻から息を出すと、複雑な香りをキャッチできます。スパイスや、ナッツやベリー、レモンのように酸っぱいかも、口の中で何かがはじける音が聞こえるかもしれません。
ノートにメモして日付を書いておくと、2回目に味わったときに、新たな発見があっておもしろいです。
食べたいチョコがおいしいチョコ
最後にもうひとつ。「食べたいチョコがおいしいチョコ」です。自分の気分やシーンに合わせて、食べたいチョコレートは変わるもの。
自分の心の声を聞いて、今自分が食べたいチョコレートを選んで味わう。これがいちばんおいしい食べ方のひとつです。
text・写真 市川歩美さん