【過ごそう #じぶん時間 Vol.6】自然の中で「働きながら休む」
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気がつくと誰かのためにばかり動いていて、自分のことは後まわしになりがち。いつの間にか自分を後まわしにすることに慣れてしまって、じぶん時間の過ごし方を忘れてしまっていることはありませんか。1分、5分、10分でも、自分のためだけの【じぶん時間】を過ごすと、なにかが変わり、日々の暮らしの心地よさが増すかもしれません。
「日々の暮らしを心地よくするきっかけになりますように」という想いを込めてコラムをお届けします。
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書き手はフードデザイナーの堀川藍さんです。
堀川藍さん
学生時代は美大でグラフィックデザインを専攻。在学中からお菓子作りと写真に没頭し、SNSでの発信を始める。現在は立ち上げメンバーとして入社したライフスタイルメディアの会社でクリエイティブディレクターを務めつつ、個人でもSNSでスイーツをメインに「食×デザイン」で発信中。イベントやワークショップなども行なっている。
Twitter:@ai_mogmog
Instagram:@ai_mogmog
「今、頑張りどきなんだよね」
大学生の自分が友達に言った言葉を今でも覚えている。
その時の友達の返事はこう。
「いつも頑張りどきって言ってて永遠に頑張りどきのままじゃない。」
私の人生は多分、いつもこんな感じだ。
高校では部活をいくつか兼部してバタバタしていたし、大学生の時も課題や趣味として始めたお菓子作りをしながらバイトを複数掛け持ちして常に時間に追われていた。
社会人になってからは日々猛烈に働きながら自主制作をしたり、
もちろん、全てやらされてやっているわけではない。
私の場合は仕事以外にやっているお菓子のSNSは趣味のひとつで、忙しいならやめればいいし徹夜してやる理由なんてないのだが、楽しくなると猛烈に突っ走ってしまう。スケジュールのコントロールが下手だと言われてしまえばそれまでだが、やりたいことを詰め込めるだけ詰めてしまった結果がこうなのだ。
忙しいのが好きなのかもしれないし、何もしていない時間が怖いだけなのかもしれない。
仕事も趣味も楽しいから続けていると思う反面、
とにかく私は「何もしないでゆっくり休む」ということに少し苦手意識がある。
ただそれでもやはり、ずっと根つめすぎると疲れてしまうのも事実。急にぷっつりと糸が切れて何もできなくなるよりは、適度に休憩して長く走り続けるのが大事なこともわかる。
そんなこんなで最近気づいた私なりの自分時間の作り方は、自然が多い場所でのワーケーション。
コロナを機にリモートワークが主流になって、今まではできなかった働き方ができるようになった。ワーケーションはその中でも新しい働き方としてできるようになってすごくよかったなと思うもののひとつ。
まるっとお休みする旅行は年にそんなにたくさん行けないが、ワーケーションであれば働きつつ自然に癒されるので一石二鳥、リモートワークであればかなり生活に取り入れやすいなと思う。
普段と違う場所でも仕事はしつつ、休憩時間にちょっと散歩をしてみたり、現地の美味しいものを食べたり、都会では出会えない圧倒的な自然に触れたりすると、日々の生活でピンと張っていた糸が少し緩んでいくのを感じる。
ある時は山の中、ある時は海の近く、川の近くでのキャンプという場合もある。
ふと窓の外を覗くと自然が広がっているというシチュエーションは、自分が想像していたよりも良い体験だった。
ずっと家やオフィスに篭っていると気づけない夕陽の美しさや、毎日のちょっとした空模様の違いに目を向けるようになることも、自然の中に身を置くことのいいところのひとつだと思う。
「働きながら休む」
字面だけ見ると違和感があるが、これが私の中での自分を休ませる方法かなと最近思うようになった。
動き続けながら休むくらいがきっと私にはちょうどいいのだと思う。
text・写真 堀川藍さん
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前回のコラムはこちらからご覧いただけます。
ムッシュサトウさん『過ごそう#じぶん時間 Vol.5 シンプルを極める』